口臭
口臭とは口から吐き出される悪臭の総称です。原因
原因物質は色々ありますが、中でも硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫黄酸化物(VSC)が重要 です。
これらは、ng(ナノグラム)という単位(1ngは10億分の1g)の濃度で臭気を感じることができます。
口臭の原因物質は、口腔内の微生物によってタンパク質が分解されて発生します。
口臭には、口腔に由来するもの、全身に由来するもの、
また、飲食物や嗜好品に由来するものがあり、生理的なものと病的なものの他に、
真の口臭ではなく、本人だけが感じる心因性の口臭(自臭症)もあります。
種類
-
生理的口臭 :
乳児口臭、早朝時口臭、空腹時口臭、緊張時口臭、女性の生理時口臭などがあります。
早朝時口臭、空腹時口臭は正常な人でも感じられるものです。
生理的口臭は必ずしも嫌悪感のある悪臭とは限りません。
- 飲食物・嗜好品による口臭: においの強いニンニクなどの食べ物の摂取、
あるいは飲酒や喫煙によって生じます。
これらの物質は消化吸収されて血液中に移行し、肺から呼気によって口臭となります。
-
心因性の(精神的な)口臭 =自臭症とも呼ばれます。:
本人だけが感じる口臭です。
ストレスが原因であったり、あるいは精神的・肉体的に不安定な思春期や更年期などの時期に多くみられます。
近年、清潔志向が高じて、自己体臭恐怖症が目立ってきています。
-
病的口臭:
いろいろな病気の一つの症状として現れる口臭を病的口臭といいます。
むし歯や歯周病などの口腔内の病気や清掃状態が悪いことなどが原因の多くを占めます。舌苔も口臭の原因の一つとされています。
ただ、鼻の疾患、呼吸器の疾患、糖尿病、尿毒症、肝臓疾患といった、
体の他の場所の病気が原因となることもあります。
考えられる病気
- 肝臓の病気では尿のような臭いがします。腎不全ではアンモニア臭がします。
-
高熱が出ると口の中が乾燥します。口の中が乾燥すると口臭が生じやすくなります。
この場合は、熱が下がれば口臭も少なくなります。 - 重い糖尿病では血液中にケトン体が増え、甘酸っぱい果物のような臭いがします。
- 鼻からの息が臭う場合、鼻や喉の病気が疑われます。
- 咳や痰が出て、口臭もある場合、呼吸器系の病気が疑われます。
-
唾液の分泌が少なくなると口の中の自浄作用が弱くなって口臭が生じやすくなり、
また、むし歯や歯周病にもなりやすくなります。
唾液腺の異常・口呼吸・薬の副作用・他の疾患の影響が原因として考えられますが、 唾液分泌が少ない場合、対症療法として人工唾液を使用することもあります。 - 消化器系の病気で食べ物の消化が悪いと口臭が生じることがあります。
- 生理中は口臭が生じやすいといわれており、病的なものではないので、心配はありません。
- 緊張やストレスは唾液の分泌を減少させます。飲み物などを摂るようにします。
- 空腹時や起床時には口臭が生じることがあります。
- 治療していないむし歯が原因で口臭が生じることがあります。
-
歯周病が原因の場合もあります。
歯垢や歯石はむし歯や歯周病の原因になるばかりでなく、口臭の原因にもなります。 汚れた入れ歯やブリッジは口臭の原因となります。 -
舌苔は口臭の原因となります。
軽くこすると取れますが、消化器系疾患の場合も舌苔がつきやすくなります。
口臭を消す方法
- 口腔内を清潔にする
- 原因があれば、それを取り除く
- 消臭効果のある食品の摂取でカバーする
- 一時的に消すのであれば、口臭除去剤や洗口剤を使う