おやつの習慣と歯科治療

大人でもイヤな歯科治療。
その必要性を理解するには、
4歳児程度の知的発達を必要とすると言われています。


幼稚園に入ると、ある程度「耐えること」を学ぶ為、
歯科治療に際しても協力的になるお子さんが多くなります。
しかしながら、小学校入学を控える年齢になっているにもかかわらず、 治療開始前から泣きわめくお子さんも居ます。
この差は、何に原因があるのか。



岡山大学歯学部小児歯科教室の研究の結果をご紹介します。

歯科治療の(虫歯を治す)為に来院した3〜5歳児の保護者へのアンケート。

質問1:お子さんは虫歯の治療時に、どのような態度をとると思いますか?
A)上手に受けられる  B)恐がる  C)泣く  D)治療が困難

質問2:間食を与える時間は?
A)決めている  B)決めていない

質問3:一日の間食回数   回

以上のアンケートよりわかったこと。

保護者が予想する子供の治療態度とおやつの規則性です。

時間を決めて与えていると回答している保護者は、 同時に治療を上手に受けられると予想しています。
一方、時間を決めていないと回答している保護者は、 泣くと予想している傾向にあります。
次に、間食回数が2回以下と3回以上で分けた場合も同様の傾向にあります。

では、実際の治療時の様子ですが、

間食の規則摂取や回数の少ない方が、 治療適応群が多いという結果が認められました。
   注:これらの処置は、全て麻酔下でのレジン充填処置に限った統計で、
     歯髄処置や乳歯冠なとの処置は施されていません。



歯科治療においては、いくら術者が工夫しても耐えなければならない部分があります。
これは、一定時間チェアの上で口を開けることです。
乳幼児期から、空腹になれば、いつでも手に入る環境下で育てられた小児に比べ、 そうでない小児は、心理発達上でも耐える心の発達の点で差が認められると言えないでしょうか?
疫学的にも、間食回数と規則性が虫歯の多少に影響することはすでに明らかになっています。
従って、
間食のダラダラ食いが、
口腔内では虫歯の形で現れ、
精神発達面では“自制心の乏しい、我慢できない子”

という形で現れるのではないかと考えられます。