歯内療法


虫歯の進行図 平たく言うと「根の治療」です。
図で説明すると赤い所に達した時が歯内療法となります。
これには、大きく分けると「生きている歯の神経を取る場合」と、「元々神経がなかった歯の根の再治療」とがあります。



生きている歯の神経を取る場合を抜髄と言います。
図で見た場合、齲蝕(うしょく)が歯髄(しずい)まで進行しているにもかかわらず、歯髄が赤い色をしている状態が抜髄の対象となります。

昔は、「神経を殺す薬」と言うのを入れて、殺して(失活させて)から取っていましたが、今は麻酔下に取ってしまう場合が殆どです。

どんな場合に抜髄するか

虫歯が進行して歯の神経(歯髄と言います)まで到達してしまった場合。
これは痛みが発現していなくとも、虫歯の治療途中で神経が露出してしまった場合も対象となります。
 例外としては
  • 補綴(ほてつ)の為に抜髄する場合(主にブリッジを入れる場合です)
  • 美容上の理由や噛み合わせの改善の為に歯の方向を変える場合


ここまでは歯髄を全部取ってしまいますが、 一部分だけ取る場合(歯髄切断)もあります。
  • 生きたまま切断する場合と殺してから切断する場合の二つに分けられます。
  • 小児の場合は頻度が高いですが、大人の場合は医療機関毎の差が大きいと思われます。


元々神経がなかった歯の根の治療を感染根管治療と言います。
これは図で見ると歯髄(本当はもうなくなっているので歯髄腔と言うべき)が茶色になった状態です。
実際には歯牙の崩壊がC3の状態でも根管治療の適応になる場合が多く見られます。
抜髄した歯の根元に病巣ができてしまった場合や、気が付かないうちに歯髄が死んでしまった場合に行います。

抜髄も感染根管治療も術式は殆ど同じです。
神経の通り道(歯髄腔)に細い針状の物を入れ、そこを拡大しながら根っこの先(根尖・根端)まで到達し、そこに消毒薬を入れる。
これを数回、繰り返します。
痛み・出血・臭い・違和感等がなくなった時点で終わります。
根管治療の終わりには根管充填を施します。
これは歯髄腔に詰め物をすることです。
歯髄腔の隙間を埋めて汚染物質の通り道をなくす為に行います。

歯内療法が終わると、普通の修復処置や補綴処置に入ります。

時折、歯内療法では治らない症例があり、そういった場合は外科処置へと移行します。


これは保険適応対象となる処置です。