インプラント矯正

矯正専用のインプラント埋め込みによる新しい矯正治療

Dual Top Anchor System 矯正治療専用に作られたインプラント(Temporaly Anchorage Device : TAD)を歯槽骨や顎骨に埋め込み、それを固定源とすることで、今までの矯正治療では難しかった歯の動きを可能とする方法です。
具体的には、便宜的な抜歯の回避や治療期間の短縮、矯正治療単独では治療が難しく顎の外科手術が必要となる可能性の高い「境界型の不正咬合」などを、手術を回避するか、手術方法を簡略化して治療を行うことを可能にする方法です。

インプラント矯正の歴史

インプラントを使った矯正治療が始められたのは1900年代後半で、 当初は外科手術に使う小さなスクリューやミニプレートといわれる小型の金属プレートを代用して行われてきました。
現在では、国内・国外で開発された矯正治療専用の製品も発売(国内の医療認可を取得しているものばかりではないので注意が必要です)されており、必要な部位に適切なインプラントを埋入することができるようになりました。

どんな時にインプラントを使うの?

日本人の不正咬合に多い歯槽性の上顎前突は、歯が並んでいる歯槽骨の大きさに比べて歯の大きさが大きいために、前歯や歯槽骨が前方へ突出した歯並びを示しています。
「出っ歯」とか、上あごの歯茎が笑ったときに付け根まで見えてしまう"Gummy Smile(ガミースマイル)"と言われているものです。
このような歯並びへの矯正治療を行なう場合、前歯と奥歯の間の歯(第一小臼歯)を抜歯して前歯を後ろへ動かして治療を行なったり、上顎の全部の歯を後ろに動かして治療を行います。
矯正治療に使う力は、非常に小さなものですが、一般的には骨に植わっている前歯のブロック(図1の1)を動かす時には奥歯のブロック(図1の2)を固定源にして、バネやゴムの力を使って前歯の移動を行います。
上顎第一小臼歯抜歯
しかし、もともと骨に植わっている歯は、歯が無くなった隙き間を前に動いて自然に埋める性質があり、奥歯はわずかに前の方に移動する性質を持っています。
従って、前歯のブロックと奥歯のブロックとの間に力(矯正力)をかけると、矯正力の反作用による力で、奥歯のブロックも前に移動してしまうことになり、前歯の後ろへの移動のために抜歯してできた第一小臼歯の隙き間を全部使って前歯を後ろに動かすことができなくなります。
そこで、矯正治療中に奥歯が前方へ移動してくるのを防ぐために、上顎の内側に付け装置や顎外固定(帽子のようにかぶる矯正装置)を併用した治療をすることになります。
これは、患者さんの協力により、食事の時以外は、このような装置を常時使ってもらうことで、奥歯の前方への移動を防ぐ固定を行うわけです。
このような顎外固定の併用が日常生活や仕事上の妨げになる場合に対処する方法として考えだされ、口の中だけで可能なようにした方法が、歯槽骨にインプラント(アンカースクリュー)を打ち込んで行う治療方法です。
スクリュータイプ埋入
(図3)


専門的には、"固定源の強化"という言葉で表現される方法で、このような矯正をインプラント矯正と言い、日本においては1999年頃より、専用に開発された製品が発売されて、本格的に普及が始まった治療方法です。
インプラント矯正に使用されるインプラント体には種々のものが発売されていますが、患者さんの埋入時の侵襲や費用負担の少ないスクリュータイプ(図3)が普及しています。

矯正用インプラントの種類と特徴

プレートタイプ
(SMAP SYSTEM)

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スクリュータイプ
(K1 SYSTEM. DUAL TOP ANCHOR SCREW, OSAS-TAD)

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インプラントの材質

インプラントの材質は、純チタン(Type3 ないしは Type 4)又はチタン合金です。
現在、チタンは医療材料としては生体と親和性の最も高い材料として、 医科においては心臓の人工弁など、歯科においてはデンタルインプラント(人工歯根)などの分野で使われている材料です。

インプラント埋入手術

外来通院で行うために、入院等の必要なありませんが、プレートタイプインプラントを4カ所同時に入れる場合などでは、静脈鎮静などを併用すると気分を楽にして行うことができます。
麻酔について
一般的には、歯を抜く時と同じ局所麻酔を埋入部に行います。

術後の痛みや腫れ

インプラントの種類や個人差によりますが、
プレートタイプは、親知らずを抜いた後と同程度の腫れや痛みが3〜4日あります。
スクリュータイプは、腫れや痛みは殆どありません。

インプラント除去手術

矯正治療に使わなくなった時点で除去しますが、矯正治療を担当する先生の指示で撤去を行います。
プレートタイプ、スクリュータイプともに、すべてが口腔内からの処置ですので、顔に傷跡が残ることはありません。

インプラント矯正で気をつけること

インプラントを埋入する時の問題点
上顎洞底部の低い人や上顎洞炎の人は不可
歯根と歯根の間の狭い人は不可
(矯正主治医と相談して対応できる場合があります)
金属アレルギーのある方は検査が必要になる場合もあります。
(矯正装置自体を装着する場合にも問題になります)

日常生活と管理

インプラントの埋入部位が、笑ったときなどに外から見えることはありません。
不衛生にするとインプラント周囲炎や腫れが起こることがありますので、 インプラント体と埋入部位を清潔に保つ必要があります。
インプラント本体とその周辺を清掃したり含嗽(うがい)する必要があります。

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