歯頸部知覚過敏症

歯磨きや、冷たい飲み物を口にしたとき、ズキーンとくる痛み。
もちろん齲蝕(うしょく)の場合もありますが、レントゲンを撮ってみても判断できない場合があります。
この多くは歯頸部(象牙質)知覚過敏症です。
これは歯周疾患が原因で起こります。

1日でも早く、この症状を取り去って欲しい。
こう思って来院なさる患者さんが多いですが、抜髄(歯の神経を取る)以外に、 決定的な治療法と言えるものがありませんでした。
ただし最近では、かなり有効な方法が出てきました。

薬剤塗布や、フッ素イオン導入、他にレーザー治療などが知られていますが、 対症療法と並行して、基本的な治療も必要です。

基本的な治療とは、ブラッシングやスケーリング(歯石除去)による 歯肉炎症の消炎です。
口腔内が清潔に保たれている状況では、象牙質の再石灰化が促進され、自然治癒の方向に向きます。
ただ、歯頸部を触ると痛いという症状から、その部位の清掃不良が認められる場合も多く見られます。
もう一つ、皮肉なことに歯磨き粉を使って熱心にブラッシングすることによって、 せっかく再石灰化した象牙質の表面が削り取られてしまうという問題があります。